まじめなAVプロダクション社長のブログ

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第7回 AVモデルさんのギャラ(お給料)について②

前回のブログで以下のように書きました。

単体モデルさん   100万円~150万円

企画単体モデルさん  30万円~ 60万円

企画モデルさん     5万円~ 10万円

まず注意していただきたいのは、この金額はあくまでもモデルさんが受け取るお金であって、AVメーカーが支払う出演料ではないということです。

ではAVメーカーがプロダクションに払う出演料はいくらなのでしょうか。

これもざっくりですがこんな感じです。

メーカーが払う【出演料】

単体モデルさん   100万円~400万円

企画単体モデルさん  40万円~ 80万円

企画モデルさん    12万円~ 20万円

芸能人       500万円~2000万円

ワンシーン、エキストラ  1万円~3万円

さて、問題はプロダクションがどの程度の利益をとるのかという問題です。

これは実はプロダクションによって結構な差があるんです。

ただ平均するとモデルさんにわたるお金は40%前後かなと思います。

つまりメーカーが100万円の出演料を支払った場合ですと、モデルさんに支払われるギャラは40万円程度ということです。

しかし、これは平均するとの話であって、所属するプロダクションによって大きく異なるのが実情です。

つまりメーカーから400万の出演料を受け取っても、モデルさんには50万円程度しか渡さないプロダクションもあります。逆に100万円の出演料に対して90万円のギャラを払うプロダクションもあります。

ここで一つの資料としてあげたい事件があります。2014年にある裁判がありました。この裁判は、あるとんでもないプロダクションがモデルさんを訴えたんです。その理由なんですけど、プロダクションはモデルさんをダマしてAV出演させようとしたんです。モデルさんは仕方なく1本は出演したんですけど、それ以降は、嫌だ、もう出たくない、と言って拒絶したんです。勇気がある女性だと思います。すばらしいですね。

それでこのバカなプロダクションが裁判を起こしたんですけど、その時の裁判でプロダクションの言い分が以下なんです。

メーカーからの出演料 300万円

モデルさんへのギャラ  80万円

プロダクションの利益 220万円

このプロダクションはこのメーカーとの間で10本の契約をすでに結んでいたので、このモデルさんがあと9本のDVDに出ていれば220万×9=1980万円が儲かったのだ、と主張したんです。このほかにも経費だとか何とか言って合計で2260万円の支払いをモデルさんに請求したんです。

判決はこのプロダクションの完全な負けでした。当たり前ですね。よくこんな裁判を起こしたものだとあきれますね。

 しかし、この裁判は後々良い判例となると思います。判例というのは法律と同じ効果があるんです。つまりこれからは原則としてですが、モデルさんが仮にAV出演の契約書にサインしてもその後で、やっぱり嫌だと思ったらAVに出なくてもいいし、賠償金を払う必要もないということです。

さて、このことは別の機会でまた触れようとおもいますので、話をギャラに戻します。

このプロダクションは300万円をメーカーから受取り、80万円だけギャラとして払うということがこの裁判で明らかになりました。このプロダクションでモデルさんが受け取るギャラは出演料の27%だったんです。

こんなひどいことをする割には、それでもいいほうかもしれませんね。というのもこれよりもっと低いところもたくさんあるからです。

さて、次回はさらに、このギャラの話を深く掘り下げていきたいと思います。

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