まじめなAVプロダクション社長のブログ

AV業界のことを、詳しく語るサイトです

第22回 AV撮影の現場での性病感染

前回のブログに、ちびねこさんという方から質問がありましたので、私の知る限りでお話ししてみます。ちびねこさんは現場での性感染症について質問をされています。

国内で撮影、販売される作品は挿入時にはコンドームを使います。コンドームを使用する場合は基本的に事前の性病検査を行うことはありません。

一般に性病の感染というときには、どうしても自分を中心に考える傾向にありますね。男も女も感染させることより、感染させられることを心配するものですけど、現場での男優からモデルさんへ病気の感染というのは、少数だと思っています。

この業界では一般にモデルさんよりも男優のほうが経歴が長いんです。モデルさんの寿命は短いんですけど男優というのは大抵は何年もやっているわけですね。そうすると男優のほうが病気にはむしろ慎重のような気がします。

男優は生活がかかっているので病気には気をつけています。撮影現場でも挿入はもちろん、フェラもコンドーム付きでしてほしいと思っている男優は意外と多いと思います。男優がモデルに病気をうつしたとなれば、あっという間に業界から干されてしまうことになります。「あいつはやばい」となるわけですね。

だから男優は極力、感染をしないように気をつけるわけです。また、なんらかの理由で感染してしまったら仕事を休んで病気が完治するまで待つわけですね。メーカーも、プロダクションもそういうことには極めて敏感です。なぜなら、こうしたことは人として、職業人としての最低限の常識だからです。病気をうつすようなヤツは、非常識だからもう一緒に仕事はできない、となってしまうんですね。

そういう意味では、きちんとした男優であればそれほど心配はいらないと思います。

一方、事前に性病検査を受けて、感染していないことの証明を受けてから撮影が行われる現場もあります。コンドームを使わない現場です。いわゆる「生挿入」を企画とした作品がありまして、そうした作品ではやはり演者がそれぞれ事前に検査を受け、病気に感染していないことを証明する書類を提出したうえで撮影が行われます。

アメリカでは日本のようにモザイク修正が局部に入らないので、コンドームは使いません。ですので、アメリカでは毎回撮影のたびに、皆さん性病検査を受けています。

日本では違法ですけど、海外サイトで配信するための撮影をしているところは、やはりコンドームを使わないので性病検査を事前に義務付けているところが多いと思います。

しかし、数は多くはないですが、撮影での性病感染はやはり発生しています。どういうケースが多いかというと、多人数で行う撮影です。典型的なのは「ぶっかけもの」と言われるジャンルですけど、何十人もの汁男優(以下、汁と略します)から、次々と顔に射精されるような作品ですね。汁はアルバイトですから、普段から性病を防止するということに対して関心が薄いんですね。だから中には性病を持っている汁がいて、その人の精子から感染するというケースです。挿入がないので検査を義務づける現場ではないですし、汁男優は報酬が安いので、撮影の条件として「性病検査をうけて、証明書を持ってきて」ということができないんですね。メーカーも予算がないので何十人もの汁男優全員の検査を行うお金がない、ということなんです。まあ、撮影現場で参加人数が多いと、やはり感染の確率は上がります。こうした現場ではモデルさんが性病に感染することが起きやすくなります。

また、こうした現場で感染したとわかっても、誰からということの特定まではできませんから、こういう現場は非常にリスクが高い現場といえるでしょう。ただ、ぶっかけものなどは、ハードな現場なのでそれなりにギャランティーはよいことが普通です。そうしたリスクがギャラに含まれているということなのかもしれませんが、私はおすすめはしません。

さて、まとめですけど、通常の国内向け撮影ではそれほど性病感染は発生していないと思います。しかしいろいろな撮影があるので、その撮影によっては注意が必要というところでしょうか。

質問歓迎いたしております。

f:id:production2017:20180811124821j:plain